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コナン・ドイル延原謙訳『シャーロック・ホームズの思い出』新潮文庫

白銀号事件

 競馬に出走予定の名馬の失踪と、その調教師の惨殺。実はその調教師は不倫相手がいて、お金が必要で、その馬をこっそり連れ出して、目立たないように傷つけて、お金を得ようとしたところ、馬にけられて亡くなる。馬はライバルの馬がいる隣の厩舎に迷い込み、閉じ込められる。

 

黄いろい顔

 ある仲のよい夫婦がいたが、その妻がある日から向かいの家にコソコソ行くようになる。妻はアメリカにいたころ夫と子供が一人いたが、病気で2人とも亡くしてイギリスに帰ってきたと今の夫は思っていた。しかし、子供は生きており、体が弱かったのでアメリカの召使の乳母のもとにおいてきた。前の夫は黒人であり、子供も黒人であった。子供にどうしても会いたくなって向かいの家に呼び寄せたが、黒人の娘がいると分かったら、今の夫に嫌われるかもしれないと思い隠れて会っていた。

 真相がすべて明らかになると、夫はそのかわいい娘を抱いて、一緒に暮らそうといった。

 

株式仲買店員

 会社が倒産し、別の勤め先がやっと見つかったパイクロフトという男に、ある男がもっといい条件で採用したいと持ちかける。その目的は、この男の仲間がパイクロフトに成りすまして、会社に入り込みお金を盗むためであった。しかし捕まる。

 

グロリア・スコット号

 ホームズが探偵を自分の仕事にすることを決めた事件。学生のころ友人と、その父親の家に遊びに行く。その友人の父親の前でホームズが観察と推理を披露すると、探偵で身を立てるようにと勧める。

 父は突然訪ねてきたハドスンを恐れる。父は昔、会社の資金を流用して捕まり、オーストラリア行きの船グロリア・スコット号に囚人として乗る。そこで囚人の反乱に加わり、半ば成功するも方針の違いから父たちはボートに乗り離れる。その後、グロリア・スコット号は囚人と乗員との戦いで爆発する。父らは引き返し、乗員のハドスンを救出する。

 身元を偽り、オーストラリアで成功してイギリスに帰るも、その過去を知るハドスンを恐れ、かつての仲間からハドスンが暴露するという手紙を受け取り、もともと心臓の弱い父は亡くなる。

 

マスグレーヴ家の儀式

 マスグレーヴ家の執事はある夜、代々伝わる儀式文をこっそり研究していたところを主人に見つかり暇を出される。その後執事は失踪。その儀式文は祖先が遺した宝の在り処を示すもので、執事はそれを奪おうとするも、女中に裏切られ、閉じ込められて死亡。女中は証拠隠滅のため池に捨てる。ホームズはその儀式文を解読し事件を解明する。

 

背の曲がった男

 妻は背の曲がった男に会い、その後、夫を非難し、そこに入ってきた背の曲がった男を見て夫は卒中で亡くなる。

 その男はかつて妻と結婚を約束していたが、当時、軍の上司であった夫は、敵に内通し、その男を敵に捕らえさせた。その後、長い苦難を経験し、醜い姿になって帰ってきた。

 

入院患者

 ある医師の開業に出資した男は、入院患者という体裁でその医院に住んでいた。しかし、ある日、自殺を装い殺される。彼は銀行強盗の犯行グループの一人であったが、捕まったあと仲間を裏切った。その復讐のため襲われる。

 

ギリシャ語通訳

 ホームズの兄マイクロフト登場。ホームズほど活動的ではないが、観察と推理の能力は勝るとも劣らず。ギリシャ語通訳が巻き込まれた事件を兄から紹介される。お金持ちの娘のギリシャ人がイギリスで男にだまされ駆け落ちしそうになる。止めようと来た兄も捕まり、財産を譲り渡す文書に署名するよう強迫するため件の通訳を呼ぶ。最後まで拒否し、兄は殺されるが、通訳は救出される。犯人は逃亡するが、後に新聞で殺害されたとの報が入る。

 

海軍条約文書事件

 ある重要な外交文書の写しをパーシイが作成していたところ、少し離れた隙に紛失する。もともと一緒に帰る予定だった婚約相手の兄が、たまたまパーシイがいないときに部屋に入り、文書を見つけ、その価値を知り、株に手を出し失敗してお金が必要だったため盗んだのであった。家に帰り部屋の床下に隠したが、パーシイがショックのため病人となってその家に帰ってきて、その部屋を明け渡さなければならなくなった。その後、婚約者である妹などがずっと付き添っていたため文書を取り返せず、その自体を見破ったホームズに捕まる。

 

最後の事件

 モリアティ教授登場。ホームズはさまざまな事件に取り組む中で背後に大きな組織があることに気づく。そのトップがモリアティ教授であった。ホームズとモリアティ教授との幾度にもわたる戦いの末、彼ら一味を捕まえる一歩手前までこぎつける。その間ホームズは身を隠そうと大陸に渡るが、モリアティ教授は逃げのび、ホームズと再び闘い、二人とも滝つぼの中に落ちる。死体は収容されないまま、最後をむかえる。