コナン・ドイル『バスカヴィル家の犬』新潮文庫

あらすじ(ネタバレ)

 

 モーティマー医師がホームズのもとに相談に来る。地元でチャールズ・バスカヴィル卿が不審な死をとげ、さらにバスカヴィル家にまつわる魔の犬の逸話もあり、相続人であるヘンリーをその地へ連れて行って良いものか相談。モーティマーとヘンリー、ワトスンはデヴォンシャーに行き、ホームズは残ることに。その間、ヘンリーらを尾行していたヒゲ男を取り逃す、ヘンリーの靴が片方なくなる、新聞から切り取った字でデヴォンシャーに来ないようにとの手紙がヘンリーのもとに届くなどの事件あり。

 

 バスカヴィル家の館に着く。その間、死刑囚のセルデンが脱獄したことを知る。執事のバリモアが夜中に不審な行動をとり、ヘンリーが問い詰めると、バリモアの妻イライザが弟であるセルデンのもとへ食料を届けていたと告白。ヘンリーらはセルデンを逮捕しようとするが失敗。その後、バリモア夫妻がセルデンを南米に送るから見逃してほしいと頼み承諾。その際、チャールズ卿がL.Lのイニシャルの婦人から事件の朝、手紙をもらっていたことを伝える。その人は地元に住むフランクランド老人の娘ローラ・ライオンズ。手紙の内容は事件当日、その現場で会う約束をするもの。彼女は離婚訴訟の費用で助けてもらうつもりだった。しかし、別の当てができたため、当日は行かなかった。

 

 ワトスンはセルデンを逮捕しようとした際、見かけた謎の人物を探していたが、その人物はホームズだった。ホームズは地元の博物学者ステープルトンが犯人だと言う。彼は妻のベルリを妹と偽る。ヘンリーはベルリに惹かれていた。その時、叫び声を聞く。ヘンリーを遺体で発見。しかし、それはヘンリーの服を着たセルデンであった。ヘンリーからバリモアが服をもらっていたのである。ステープルトンはヘンリーと間違えて犬を使って脅してセルデンを転落死させた。

 

 ホームズらはロンドンに帰るフリをして、ヘンリーをステープルトン宅に行かせ、近くで待ち構える。ヘンリーが帰る際、犬に追いかけられる。ホームズが銃で倒す。巨大な犬には燐ぬられ、火を吐く魔の犬のようにされていた。その後、ステープルトンを探すも見つからず、沼に沈んだと思われた。ステープルトンは実はバスカヴィル家の子孫であり、チャールズとヘンリーを亡き者にして遺産を相続しようとしていたのであった。そのために、妹と偽って妻やローラを利用しようとしていたのである。

 

感想

 銃を持っているのに逃げるセルデンを撃たないワトスン。セルデンの死を悲しむバリモア夫人。健気なカートライト少年。